Lost Words
    神は始め、天地を創造された。「光あれ。」――こうして、光があった。
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  閑話のあらすじ 
* * *
 ゼルリアの妾将軍の海域を出発し、南の国のルーラに向かう海賊船。
 そこで暇を持て余したティナは、成り行きでアベルたちにクルスとの出会いを語ることになる。

 二年前。
 ルーラ国堕天使の聖堂の近くで、記憶をなくしたところを魔物に襲われたティナ。
 そこを助けてくれた少年クルスと、近くの村に立ち寄る。
 だが、ちょっと離れた間に、ティナは蒼色の髪の美女と、盗賊たちの喧嘩に巻き込まれ、その腹いせに連れ去られてしまった。
 堕天使の聖堂近くに差し掛かったとき、その地の番人に見つかり、盗賊ともども殺されそうになるティナ。
 そこをすんでで駆けつけて、庇ってくれたクルスに報いるため、彼女は『失われた』記憶の中からをも、不死鳥を召喚する。
 そして、そのまま二人は旅をむすることになったのだった。

 語り終えたティナに、ゼルリアの将軍アルフェリアが問いかける。
 ティナが一瞬会った蒼い髪の女――碧色の瞳をしていなかったか、と。
 そうして呟く彼の中には、かつての女の面影があった。


 一方、廃墟のアレントゥムで、成り行きで傷だらけの青年を拾った、ジュレスとウェイ。
 看病だてら、ジュレスは、アレントゥムの廃墟で目にした光の奇跡『不死鳥』を召喚した少女と会ったことがある、と語る。
 二年前。
 ちょっとしたことで、盗賊と遣り合っていた彼女は、たまたま巻き込まれてしまった紫の瞳の少女と出会う。
 そして、盗賊に連れ去られた彼女のあとを追ったジュレスは、そこで、光の不死鳥の召喚を目にしていたのだった…――

 そんな話をしながらも、彼女とウェイ、そして目覚めた青年――ダグラスは、力をあわせてアレントゥムで石版を手に入れる。
 土の属性継承者、風の属性継承者、そして水の属性継承者――高位属性四属性のうちの、三属性の継承者が顔をそろえた。
 そして、彼――ダグラスの元に、七君主からの言葉が届けられる。
 『ルーラ国に向かった『失敗作』を砂漠の国に居る自分のところにつれて来い』――言葉を受けたダグラスは、一気にルーラ国を目指す。
 『失敗作』を…――カイオス・レリュードを目指して。

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