Lost Words
    神は始め、天地を創造された。「光あれ。」――こうして、光があった。
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  第三章のあらすじ 
* * *
 ティナたちが、白の学院に赴いている一方、混血児の隠れ村に残ったクルスとイクシオン、デュオンは、遠い昔の記憶に思いを馳せていた。
 100年前、大空白時代。
 『悲しき英雄』として倒された、悲劇の男『ストラジェス』。
 彼は、天から降り立った『災い』のために起こった戦争を沈めるため、生贄にされようとしていた『不死鳥憑きの巫女』を救うたに、『ストラジェスの神具』と呼ばれる道具を作り出した。
 四属性の力の源泉、『神剣』の力を自在に操る力を得、ストラジェスは暴走した。
 彼は、自ら救おうとした『不死鳥憑きの巫女』によって、倒されてしまう…。
 
 また、眠ったままのフェイを見守りながら、彼の兄である混血児の村の村長ディーンと、10才の時に村を追い出されたゼルリアの将軍アルフェリアも、また、その昔村を襲った悲劇に、思いを馳せていた。
 先王の第一子でありながら王の座につけず、失意の内にシルヴェア王家を去ったシルヴェア王子と、その従者。
 ディーンとアルフェリアの父は、そんな境遇を持ちながら、混血児の村にたどり着き、それぞれ妻子を持った。
 平穏な生活を過ごしていた彼らの元に、ある日シルヴェアの使節が訪れ、時期シルヴェア国王として当時3才だったフェイを連れ去ろうとしたのだ。
 その最中、使節団に虐げられたアルフェリアの姉は、彼女を庇った一人の行商人と親しくなる。
 しかしその真意は、混血児の姉の藍色の目。
 『万病に効く』という迷信を信じた行商人により、その目を抉り出されたアルフェリアの姉は、天使の力を暴発させてしまう。
 それを止めるため、とっさに村が護っていた『土の神剣』を使ったアルフェリア。
 その力で姉を刺し殺すも、神剣が封じていた黒き竜が暴走し、村は灰燼に帰してしまう。
 村人の半数が、命を落とすほどの悲劇。
 それは、まだ幼い少年だったアルフェリアが村を去るきっかけとなった事件だった…。

 誰にも語られることのなかった過去を、ディーンに明かし、現在のアルフェリアは苦く笑う。
 『土の神剣を使える可能性のある人間が自分であるとしても、自分にそれがこなれるとは思えない』と。

 一方、白の学院を目指していたティナとカイオスは、ついに学院の敷地内に足を踏み入れようとしていた。
 世界情勢の変化――アクアヴェイルで何かきな臭い動きがあること、羽男は、それに関して発っていったこと――言葉を交わすその中で、ティナはカイオス・レリュードに対する距離の変化を感じる。
 そんな彼女の前に、広場でも見かけた人影が、再び姿を現した。
 実体があるのに『ない』感覚。
 『ストラジェス』。
 無意識にティナは、その名前を呟いていた…。

* * *
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