Lost Words
    神は始め、天地を創造された。「光あれ。」――こうして、光があった。
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  第三話のあらすじ 
* * *
 海賊船に送られて、石板があるかも知れない、という堕天使の聖堂の存在する国ルーラ国に降り立ったティナたち。
 聖堂に入るためには、ルーラ国と、その国境を接するミルガウスの『印』が必要となる。
 ミルガウス側の『印』を手に入れるため、一人別行動を取るカイオス・レリュード。
 その一方で、火の属性継承者のティナ、相棒のクルス、ゼルリア将軍アルフェリア、王女アベル、そして、海賊の副船長『ジェイド』。
 彼らはルーラ国の『印』を手に入れるために、ルーラ国首都に向かう最中、盗賊に襲われていたルーラ国第三王女にして、『亡くなった』元シルヴェア国第二王位継承者フェイの婚約者である、テスタロッサを助ける。
 今だ王子の死を信じられず、ひたむきに彼を慕っている姫を首都に送るが、彼女は『何者か』により、城からさらわれてしまった。
 アルフェリアの情報により、ミルガウスとの戦争を画策するルーラ国の思惑と、フェイ王子への想いから、それに反対するテスタロッサ姫の微妙な立場を知ったティナたち。
 石板の確保に一刻を争う中、彼女の救助に向かったのが、ローブの青年『ジェイド』だった。

 ジェイドは、かつての『思い出』を巡らせながら、無事に姫を奪還。
 苦しい立場と王子への希望を捨てきれないまま、再び城へと帰っていくテスタロッサを黙って彼は見守っていた…。

 一方、ミルガウスの『印』を手に入れるため、奔走するカイオス・レリュード。
 その彼の前に、七君主の派遣するダグラス・セントア・ブルグレアが立ちふさがる。
 彼に連れられ七君主と相対したカイオスは、そこで再び裏切りを持ちかけられる。
 それに否と答え、魔法の応酬を行った末に、彼は七君主の元を去った。
 その身体には、深い裂傷があった…。

 堕天使の聖堂最近の村にたどり着いたティナたちは、聖堂の霧が村の近くまで立ち込めていることと、それと前後して村人達が聖堂の近くで次々と行方不明になっていることを聞く。
 そこに、ティナのちらりと知る『蒼い髪の女』が含まれていることと、石板の影響を考慮して、彼女はクルスとアベルを村に残し、アルフェリアと共に、カイオスを待たず聖堂に向かう。
 そこで、ティナはアルフェリアとはぐれ、不可思議な空間に迷い込んでしまった。
 赤い髪の女が『堕天使』を召喚し、それに少女が飲み込まれていく幻――。
 そして、いつとも知れぬ『未来』に、自分がカイオス・レリュードと、『敵として』、剣を打ち合わせている――その末に、彼の命が絶たれてしまう、ものだった。
 その光景は、ティナの『失われた記憶』を否応なく想起せさた。
 絶叫する彼女の内側から、不死鳥の声が上がる。
 まだ早い、全てを思い出すのは、と。

 気が付けば、石板とともに元の空間に戻っていたティナ。
 その脳裏には、赤い『未来』の不吉な予感がひしひしと漂っていた。

 同じ頃、聖堂で蒼い髪の女ジュレス、そしてウェイと遭遇したアルフェリア。
 姉弟の再会も束の間、彼らは堕天使の聖堂の番人に見つかり、戦闘になってしまう。
 そこに、カイオス・レリュードが駆けつけるも、混血児であるジュレスとウェイを逃がし、苦戦を強いられるアルフェリア。
 援護を『出し惜しむ』かのようなそぶりをするカイオスに疑念を募らせる。
 危ないところで、石板を持ったティナが現れ、戦況は何とか収束した。
 四つ目の欠片。
 凄まじい速さで集まりゆく事態を前に、ティナは素直に喜べなかった。
 カイオス・レリュードへの疑惑。
 『敵として』剣を合わせる景色。
 そして、その果てに命を落とす彼の光景――。
 そんな彼女に聖堂の番人は言葉をかける。
 聖堂の幻は、過去であり、未来だ。
 だから、そこで見た景色が『変わる』ことは絶対にない。
 だが、『時巡る空間』から、石板を持ち出した、彼女ならば…。

 その言葉を抱きしめるように、ティナは次の目的地に向かうしかなかった。
 次の目的地――七君主が待ち受ける。
 熱砂の大国シェーレン、『死に絶えた都』へと…。

* * *
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